ベトナムフェスティバル2025@代々木公園 仕事に関するアンケート結果のご報告

ボードアンケートの実施経緯

5月31日(土)、6月1日(日)に東京代々木公園でベトナムフェスティバルが開催されました。CINGAでは専門家相談ブースの出展をしたほか、外国人住民や外国につながりのある方々へ意見を伺うボードアンケートを実施しました。外国につながる若者の進路やキャリア選択の困りごとや支援のニーズを把握する手掛かりとして、また参加者との対話のきっかけとして行いました。

アンケートは、在留資格別に、当てはまる困りごとにシールを貼ってもらいました。
質問)
・仕事を探すとき、どのようなことに困りますか?
・どのように仕事を探しますか?
・仕事をしているとき、何に困りますか?

アンケート結果

アンケートで得られた声は、運営チームや関係者が「支援が必要な層」や「見えにくい困りごと」に気づくきっかけになります。
今回はフェスという場の中で、一定の層の方に限られる結果ではあるのですが、「仕事の探し方」や「働く中での困りごと」について知ることができました。

結果から読み取れること

■仕事を探すときに困っていること

アンケートでは、「仕事の探し方」や「ことば」に困っている方が多いことが分かりました。一方で、日本国籍を持っている場合、家族滞在・定住の在留資格を持つ人々からは、「やりたい仕事がわからない」「自信がない、焦りや不安がある」といった、気持ちの面での不安や迷いが多く挙げられていました。

■仕事の探し方と在留資格との関係

仕事の探し方にも、在留資格による違いがはっきりと表れていました。特定技能の在留資格を持つ方々は、支援機関に加え、SNSなどのインターネットを活用して仕事を探す傾向がありました。ベトナムの方はFacebookをよく活用するという声が多く聞かれました。一方、技能実習生の場合は、制度上、管理団体や支援機関を通じて仕事を見つけていることがわかります。

■仕事をしている中で困っていること

現在の職場における困りごととして最も多く挙げられたのは、「給与が低い」という回答でした。賃金に対し、日本の物価高騰が気になるという声も聞かれました。また、この回答は特定技能や技能実習の在留資格を持つ方に特に多く見られ、家族滞在・定住、日本国籍の方にはあまり該当していませんでした。
このほか、就労環境に関する困りごとや、「ことば」、「人間・コミュニケーション」といった対人面の課題も多くの人に共通して見られました。職場で日本語で話していても、上司からは「わからない」と言われてしまうなどのエピソードも聞かれました。

■留学生の回答傾向

留学生からの回答にはばらつきがあり、他の在留資格と比べて、傾向をまとめるのが難しい結果となりました。それぞれの個別の状況や立場によって、感じている困りごとが大きく異なることがうかがえました。

当日の様子

一日目は雨の中アンケートを実施しました。また、青山学院大学の学生さん3名がボランティアとして活動に参加してくれました。二日目はよく晴れ、会場ブース周辺にも多くの方が来場してくれました。
ボードアンケートへご協力いただいた皆様、ありがとうございました!