2/18〜2/20|CINGA事業報告会「時はいま”違い”を超えて〜わたしたちの目指すもの〜」

2月18日〜20日に対面(GLOBAL VILLAGE 有楽町ハウス(東京都千代田区))とオンラインのハイブリッドで、CINGA事業報告会を開催しました。
2月18日は、専門家相談、若者ルーツの相談センター事業、研究会事業からの報告に加え、研究事業からのワークショップを実施しました。19日は、韓国視察報告会を、20日には文部科学省「生活者としての外国人」のための特定ニーズに対応した日本語教育事業報告会を実施しました。

3日間で約300人の多文化共生を推進する自治体関係者や国際交流協会職員、外国人支援者の皆様が会場、オンライン上で集まり、専門家の講演を交えながら活発な議論が交わされました。

2月18日報告①:専門家相談事業
相談シミュレーションで見せます!専門家相談の裏側
 

登壇者(敬称略)
(関聡介/弁護士、青柳りつ子/行政書士・社会福祉士、南野奈津子/東洋大学福祉社会デザイン学部教授)

報告①では、今年度の専門家相談対応数や相談者の在留資格、相談カテゴリーに関する概要報告とともに、シミュレーションを通して専門家相談の流れを具体的に示しました。シミュレーションからは、一つの相談の背後に複数の課題が絡み合っている実態がわかり、伴走する自治体相談窓口担当者とのさらなる連携の必要性について議論しました。


報告②:休眠預金事業
外国ルーツの若者が働くための相談センター事業

外国ルーツの若者の未来を支えるキャリア支援と周辺環境作り 

登壇者(敬称略)
(評価委員:加藤丈太郎、津崎たから、中村拓海)
(コーディネーター:紀仁、サッキャミナ、佐藤珠己、関水クリスティーナ、高田友佳子、宮原麻季)

報告②では、事業で柱となっている4つの活動についてそれぞれ担当コーディネーターから報告がありました。
 CINGAキャリアサポートセンター事業の活動では、相談を通じて外国ルーツの若者やその保護者の変化について報告しました。エスニックコミュニティへのアウトリーチでは、コミュニティ内や親子の世代間で教育に対する意識の差があることが報告され、当事者の「周囲への働きかけ」や、来日直後の基盤整備についての重要性を共有しました。
 教育・労働行政・企業へのアウトリーチの領域では、研修や定期的な意見交換会を通して、外国人を雇用する際に知っておくべき知識の向上や外国ルーツの若者対応への不安の軽減などの変化が見られたことが報告されました。最後に、様々な団体への後方支援活動の領域では、団体への研修支援等を継続するとともに、外国人と関わりが比較的薄い層や社会全体への働きかけが重要であることがわかりました。


ワークショップ①:「反うわさ戦略」ワークショップ
地域・コミュニティで実践できる「うわさ」についての対話型ワークショップ 

登壇者(敬称略)
(上野貴彦、藤田雅美、新居みどり、堀佳月)

「反うわさ戦略」ワークショップでは、2025年度に立ち上がった研究会の概要紹介とともに、全国各地域で試みた実践例を共有しました。また、参加型のワークショップとして、グループに分かれて、「うわさの分析」ワークショップを行い、解説とフロアの意見交換を行いました。
 ワークショップでは各テーブルで、周りで聞くうわさを書き出し、そこから外国人に関するうわさでどのようなものを聞くか、なぜそのようなうわさがあるのかを考えました。
「うわさ」を扱うワークショップに関して、参加者それぞの視点から意見が交わされ、より良いワークの実践方法の検討につながる機会となりました。

ワークショップ②:多文化共生に向けた絵本カフェワークショップ

登壇者(敬称略)
(西山陽子、萬浪絵理、山西優二、新居みどり、堀佳月)

絵本カフェワークショップでは、今年度の絵本プロジェクトの活動として、絵本の収集・リストの作成、絵本研究活動、絵本カフェの開催などが紹介され、さらに絵本の読み聞かせを行いました。
 取り上げた2冊の絵本の考察共有では、2冊の関係性や絵本と現代社会との共通している点についての議論が交わされました。また、会場には多文化共生・人の移動・平和・ことばなどに関する絵本が並べられており、休憩時間に手に取り、楽しむ様子も見られました。

韓国視察報告会

登壇者(敬称略)
(李 惠珍、藤田雅美、富本潤子、上野貴彦)
ファシリテーター(新居みどり)

2日目の韓国視察報告会では、韓国における移民・外国人を取り巻く状況の変化や法制度の整備、市民活動、外国ルーツの子どもへの支援などが紹介されました。法制度には日本よりも進んでいる側面もあり、常設の研究・研修機関をはじめ、参考となる取り組みが多く見られました。視察では外国人住民の多い京畿道や安山市の事例も報告され、安山市では先住民と移住民が共に参加する差別のない放送を理念としたラジオ局の取り組みが印象的でした。

文部科学省「生活者としての外国人」のための特定ニーズに対応した日本語教育事業報告会

登壇者(敬称略)
(西山陽子、萬浪絵理、サッキャミナ)

特定ニーズ日本語事業報告会では日本語を学びたい気持ちはあっても行動を起こすまでには至っていない人々へのアプローチについて事業結果が報告されました。インタビュー調査や日本語教育の実践から得られた示唆をもとに、対象者を日本語学習に繋げて学びを支えるための仕組みが提案されました。

三日間を通して、専門家相談や若者支援事業、ワークショップ、韓国視察報告、特定ニーズ日本語事業報告などを通じて、外国ルーツの人々を取り巻く課題の複雑さとそれに対する多角的な支援の実践を共有しました。
また、制度整備やアウトリーチ、対話型の取り組みなど当事者だけでなく社会全体へ働きかける支援の重要性と今後の展開の方向性を示しました。

CINGAでは、今後も、多文化共生を推進する皆さまとともに、より良い地域づくりについて考えていきます。
改めまして、本報告会の開催にあたり、多方面からのご協力に心より感謝申し上げます。

                           報告 2025年度インターン 江口胡夏