専門家による相談 2025年度実施報告
■ CINGAが実施する専門家による相談
専門家による相談事業として、2つの事業を実施しています。事業詳細 ⇒ https://www.cinga.or.jp/consultation/
① 外国人のための遠隔無料専門家相談会(以下、専門家相談会)
CINGAの専門家相談会は、2012年度から形を変えながら実施して2025年度で13年目になりました。
外国人問題を専門とした弁護士や精神科医、行政書士、臨床心理士、社会福祉士などの専門家がオンラインで相談を受け、必要な場合には通訳も無料で付けます。月2回、4枠を設けて予約制で実施しています。
② 外国人対応者のための相談室 (以下、相談室)
全国の国際交流協会や福祉事務所、社会福祉協議会、保健所、児童相談所、行政機関などで外国人に対応する職員や相談員の方々から相談を受けています。つまり、支援者が相談する相談窓口です。
在留資格の正確な知識を確認したいときや、本当にこの対応でよいのだろうか?といった現場での疑問や悩みを相談できます。相談に対応するのは行政書士・社会福祉士です。予約は不要、週に3日実施しています。
■ 2025年度を振り返って

関聡介 / 弁護士
国際交流協会や行政窓口の方、外国人当事者がZoomの扱いに慣れてきて、円滑にオンライン相談が実施できました。移動しない利点により予定通りに相談が運び、相談会として安定感が出ていると思います。

青柳りつ子 / 行政書士・社会福祉士
外国人が地域の福祉機関で伴走的に支援を受ける中でCINGAの専門家相談を利用されるケースが増えました。Zoomを使って外国人特有の課題に専門的に取組むことが可能であることを実感しました。

南野奈津子 / 東洋大学福祉社会デザイン学部教授
家族の中の個人がそれぞれ異なる課題を抱えており、どのように優先順位をつけて、支援や機関連携をしていくかを考えることの重要性を実感した1年でした。

前田明子
外国人に寄り添い支援を続ける組織にとって、必要な時に専門家の助言を受けられることは大きな支えだと感じており、今後もより多くの人に支援が届くことを願っています。
2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日)に二つの事業で対応した相談の統計を下記にまとめました。
■ 相談ケース数
2025年度に新たに相談を受けたケースの数は178ケースでした。1つのケースで複数回の対応を行うことも多く、対応した数は296件でした。
対応した数の内訳は、上記①の専門家相談会で行った弁護士による相談が41件、行政書士が11件、臨床心理士が6件、社会福祉士1件、医師1件でした。
②の相談室で行った行政書士・社会福祉士による相談対応数は236件でした。
■ 相談当事者の出身国籍・地域
当事者の出身国・地域は、以下のグラフの通りです。
昨年同様、ベトナムフェスティバルに出店をして専門家相談会を開催した関係で、ベトナム出身の相談者の数が多くなっています。フィリピンや中国は在留外国人の人数に比例した多さです。一方で、10人以下の国籍を見ると非常に多岐にわたります。
様々な国籍の方が地域の相談窓口につながっていることが分かります。
2025年度 専門家相談で対応した当事者の国籍・地域

■ 相談元の窓口
引き続き、多言語で対応している国際交流協会や外国人相談の窓口の相談員や職員の方からの相談が一番多くありました。そこにつながった経緯を伺うと、元々は外国人が自治体や福祉・保健部署関連につながり、相談者が外国人ということで持ち込まれ連携して対応をしているケースも多く聞かれました。
2025年度 相談元の属性

■ 相談テーマ別
外国人特有の課題である在留資格に関する相談は、在留資格自体が問題となるケースもありますが、健康問題や離婚、労働問題に伴って在留資格の問題が発生することがあるのが外国人特有と言えます。
2025年度 相談テーマ(対応件数 全体)

弁護士相談のみで相談テーマを見てみると、配偶者からのDVに伴って養育や在留資格の問題が浮上することが多くありました。また、交通事故や近隣トラブル、不動産売買のトラブル、借金問題などの問題についてもご相談を受けました。
2025年度 相談テーマ(対応件数 弁護士相談のみ)

2026年度も引き続き、外国人対応者のための相談先として、全国からご相談を受け付けています!
https://www.cinga.or.jp/consultation/
報告:青柳りつ子