専門家による相談 2022年度実施報告

専門家による外国人相談は、「赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成事業 」として、助成金を受けて活動をしました。

ご寄付をして下さった個人、企業、団体の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。


CINGAが実施する専門家による相談

定期的な専門家による相談事業として、2つの事業を実施しています。事業詳細 ⇒ https://www.cinga.or.jp/consultation/

① 外国人のための遠隔無料専門家相談会
国際交流協会や行政機関などの窓口で受け付けた相談を対象に、外国人問題を専門とした弁護士や精神科医、行政書士、教育専門家などの専門家がオンラインで相談対応を行います。必要な場合には通訳も無料で付けます。2022年度は予約制で月2回(4枠)の実施の他、代々木公園で開催されたベトナムフェスティバル(Reports)に出店しました。

② 外国人対応者のための相談室
国際交流協会や行政の窓口などで対応する相談員や職員を対象とした相談室です。
在留資格の正確な知識を確認したいときや、本当にこの対応でよいのだろうか?といった現場での疑問や悩みを予約不要で相談ができます。相談に対応するのは行政書士・社会福祉士です。予約は不要、週に2日実施しました。

2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)に専門家が対応した相談の統計を下記にまとめました。


■ 相談ケース数

前年度と比べ、相談者数が増加し、2022年度は177ケースの相談対応を行いました。
※ 一つの相談ケースで何回もやり取りをして対応をした場合でも1ケースとしています。また、最初、外国人対応者のための相談室で対応し、最終的に外国人のための遠隔無料専門家相談会につなげた場合でも、同じケースのため、1として扱っています。

■ 相談当事者の出身国籍・地域

2021年度と2022年度を比べました。相談件数の増加と共に、当事者の出身国・地域が多岐にわたりました。

国際交流協会や自治体で言語対応がない場合でも、多くの相談が持ち込まれたことがわかりました。その中で、弁護士や行政書士、行政書士、精神科医との相談が必要なケースについては、通訳を付けて専門家につなげることができました。特に、2022年度にCINGAで開設したウクライナ語の心のよりそい電話で受けたウクライナ避難民からの相談を弁護士の法律相談につないだケースがありました。

■ 相談テーマ別

複数の課題を抱えた相談が持ち込まれることが多くありました。特に、コロナ禍により影響を受けて経済困難や医療・福祉、DVについては目立って増加がみられました。

こうした課題を抱えた時点で相談に至ることもありますが、離婚、養育、親権の問題に発展してから相談に至るケースもあります。困ったときには、できるだけ早く専門家と相談ができるような敷居の低さ、アクセスの良さを周知することが今後も課題です。

■ 相談元の属性

半分以上が国際交流協会や外国人相談センターからのご相談というのは前年度と変わりません。

2022年度は、自治体や社会福祉協議会、行政機関(官公庁)からも相談を受けるようになりました。また、アウトリーチに近い活動として、ベトナムフェスティバルでの出店により、機関や団体を通さず、直接、専門家が相談を受けるケースもありました。


2023年度も引き続き、外国人対応者のための相談先として、相談を受け付けています。

https://www.cinga.or.jp/consultation/